|
合併効果を検証する 人員削減
2年間で人件費27億円減は本当なのか
静岡市は、清水市との合併効果として職員の削減と、清水に予定していた清掃工場が不必要になったことを強調している。職員削減は、合併時の15年度に108人、16年度は119人で、合併後2年間で227人、約27億円が削減できた。合併による業務の効率化だと、小嶋市長は記者会見で説明した。しかし、この数字には「業務増員分」という耳慣れない言葉が含まれている。
増員しなかったことは、削減したことになる?
静岡市人事課によれば、合併初年の15年度に108人削減の内、59人は「業務増員分」だという。合併前、静岡市は中核市、清水市は特令市だった。合併により、旧清水市でもに中核市として、保健所業務が県から市の管轄となった。増えた業務に必要な人員は59人。これが「業務増員分」となる。
業務が増えた場合、新規採用するか、職員の仕事量を増やするかであるが、静岡市は新規採用はしなかった。本来、増員すべきところをしなかったから、「削減」したことになるというのが行政の解釈である。
人員が減らない「削減」
59人分を増員しなかったが、新しい部署での仕事が増えたため、職員の配置をする必要あ出てくる。配置を変更すれば、従来の業務に支障が出てくる。それを臨時職員で補っている。人事課では、臨時職員についての統計資料は発表していない。雇用期間がさまざまで掌握できないという理由からだ。
ならば、108人から59人を引いた49人は退職したのかというと、これも違う。合併で部局が統合され、二人いた部長や課長が一人で済むようになった。だから、一人は削減されたとみなしているだけである。
合併でポストがなくなった部課長は、別の肩書きが付いて、同水準の給与が保証されている。民間企業では、これを「合併効果」とは言わないだろう。
自然減と合併効果の違い
合併初年の職員数は、市が公表している統計資料で、15年の職員数を14年から引けば増減が判る。合併前の14年4月1日の職員総数は両市合計で6823人、15年度は6766人、57人が減少したことになる。
小嶋市長が強調する15年度の108人削減は名目だけで、実際に職員は減っていないことが判る。同じように統計資料によれば、16年度に146人が減少している。
人事課では16年度には「業務増員分」が含まれていない。部局の統合でポストが減ったことが119人の削減と説明しているため、実際の退職者数と違ってくる。市が説明する合併効果は名目だけの数字である。
両市の退職者数は、平成10年92人、11年105人、12年114人、13年124人と、毎年100人前後の職員が減少している。合併1年目の15年57人、16年146人で過去6年間に毎年100人以上の職員が減少している。
平成10年度から、清水、静岡両市は毎年100名前後の職員が減少している。新規採用を控えているための自然減である。合併後も退職者数が、新規採用より多いため職員数は減少しているが、合併前からの同じ傾向が続いているもので、合併効果と呼べるか疑問が残る。
合併で業務は増えている
小嶋市長は「2年間で227人削減」という名目だけの数字を合併効果と強調しているが、合併により業務が増えたことを説明していない。
清水市の中核市移行により、県が行っていた業務が市に移管され、59人分の業務が増えている。政令市に昇格すれば、膨大な業務が県から移管される。「最大の権限権能」を持つことだけが宣伝されているが、増えた業務をどのように遂行していいくのかは説明されていない。
(2004年5月17日)
▲top
|