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    二〇〇三年四月一日、清水市が消滅します。

     清水市民は、この日を不安な気持ちで迎えています。手放しで喜んでいる人はいません。

     なぜ、合併に至ったのか納得していないからです。不安を消し去るだけの、新しい道筋が示されていないからです。

     「わたしもひとこと・合併通信」は一九九八年一月に創刊し、静清合併に清水市民として考え、発言してきました。この五年間は、まちづくりのあり方、市長や議員のあり方を考え続けた年月でもありました。五年間を振り返り、静清合併に際して、清水市民のみなさんに呼びかけます。
     
    一、私たちは合併の決定について意思表示する機会が無かったことを忘れない

     静清合併で、私たち清水市民は、自分たちの意向を数として表明する機会がありませんでした。

     昨年四月「静清合併の結論延期を求める会」は八万三四五八人(他団体も含めれば十一万五千)の署名をもって、合併是非の結論を延期し、全市民への意向調査実施を要望しましたが、市議会は簡単に否決しました。

     東伊豆町で行われたように、町の未来を決定する重大な問題については、住民の意向を数として確認することが全国に広がりつつあります。

     こうした機会のないまま決定された静清合併は、市民の賛成がどこまで得られているのかはっきりせず、不満や不安を残したままです。

    二、市町村合併に「対等」はなかった


     静清合併は、両市を廃止して、新しい市を作る「新設合併」で、静岡市による清水市の吸収合併ではない、「対等」だと説明されてきました。しかし、「対等」ということは、元々有り得ないことが、すり合わせ作業のなかで見えてきました。効率化のために合併する以上、人口、財政が二倍の静岡市を変えることは非効率になるからです。

     静岡市で暮らす人たちには、市民生活が変わるという実感はないでしょう。清水市では、市名や町名ばかりでなく、多くの制度や市民サービスが変わります。「静岡市に吸収された」と多くの人が感じています。

     静岡市閉市式で宮城島清水市長が「静岡の人たちは何も変わらないから他人事のようだ。清水の人たちは、自分たちの生まれ育ってきたところを消されるのと同じだから、もう少し暖かく受け入れるべきではないのか」と発言しました。対等合併と説明してきた市長が、今になって吸収合併のように注文づけするのには、あきれるばかりです。

    三、箱物ばかりの新市建設計画は破綻する


     静清合併の新市建設計画では、四百億もの合併特例債(借金)の発行を予定しています。その七割は国の負担です。特例債をあてにしたオペラハウスやスノーボード場という箱物ばかりの新市建設計画が、地域の活性化を生み出さないことは、全国の経験が教えています。

     全国の市町村の約八割が、合併特例法の期限内に合併しようと焦っています。特例債を発行できるからです。その総額は二〇兆円と経済同友会は試算しています。国は二〇〇六年度に、国の歳入の半分を国債に頼るしかないと予測しています。このままでは国家財政の破綻はあきらかです。

    四、市民生活はどう変わるのか、説明されていない

     合併の決定後のすりあわせ作業は、市民にとってはわかりにくいものです。
     今年三月、清水市広報課は、新市での市役所業務を紹介した冊子を発行しましたが、これを読んでも、市民生活がどう変わるか、よくわかりません。

     市民生活は多岐に渡ります。市役所の業務だけでなく、自治会や社会福祉協議会などがどうなるのか、団体への補助金はどうなるのか、私たちは具体的な変化を知りたいのです。さらに、市役所に関わる仕事をしていた企業は、仕事が切られてしまう深刻な不安に直面しています。

     合併後も、最初の一年は現状のまま「一国二制度」になったものもあります。しかし、二年目から大きく変わると言われています。

     市民にとって、合併で何がどのように変わるのかという、全体像が見えてきません。検討の過程が説明されていないからです。結論だけが伝えられた時に、声を上げても手遅れなのです。

    五、「わたしもひとこと・合併通信」は、これからも発言を続けてゆきます

     合併で七十万都市になり、一人一人の市民の声は今より届きにくくなるでしょう。しかし、これからも生活に密着した様々なすり合わせが残っています。市民が声を上げない限り、要望は伝わりません。もっと声を上げましょう。議会や行政に対して声を上げていきましょう。

     「わたしもひとこと・合併通信」は、これからも、市民の皆さんに情報を届け、一緒に考え、発言を続けてゆきます。そして、清水の経験を全国各地に伝える努力を続けてゆきます。まちの未来を決めるのは、私たちの市民です。

    (03年3月31日)
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