平成13年11月から合併協議会は両市で地区説明会を開催した。合併通信は清水の全会場へ参加したが、どの会場でも「計画は実現するのか」と不安の声が上がった。
しかし、小嶋静岡市長は「それは新市の市長と議会が決めることだ」と実現の確約をしなかった。
計画は決めた。実行するかどうかは新市の市長と議会が決める。だから、計画を決めた合併協は、実現できるかどうかの確約はできないというのが、小嶋市長の考えだった。本音というべきかもしれない。
小嶋市長は、朝日新聞の取材に対し「検討委員会では、市長ら三役が移るのか、危機管理センターが主になるのかなど、25億円の事業費のなかでどんなものをつくるのかを審議してもらう」と語り、新庁舎に行政の中枢である市長など三役が入らない考えがあることを明らかにした。(3月3日付朝日新聞静岡版)
小嶋市長は2月19日の静岡市議会で、新市建設計画で東静岡に建設することを決めた新庁舎について、民間など第三者の声を聞く必要がある考えを示したが、地区説明会での発言からすれば、小嶋市長の考えが変わったのではなく、本音が見えてきただけだと言える。
四年間に渡る合併協での議論では、吸収合併という事態を少しでも薄めようとする清水側の強い意向に、静岡側が妥協する形で、東静岡への新庁舎建設を決めた経緯がある。
これに対して、新市市長選に出馬する天野進吾氏は、新庁舎は無駄であると、小嶋市長との違いをアピールし、市長選の争点にしようとしている。静岡側には、対等合併のシンボルとして新庁舎を建設することに不満があり、その気分を味方にして、支持を広げようとする戦術である。
合併後の青写真である、新市建設計画では三つの都市核をつくることを決めている。しかし、計画の実行を、小嶋市長は確約していない。確約をしていない小嶋氏と、計画の見直しを求める天野氏に、主張の違いは感じられない。
地区説明会で何度も聞かされた「実現は、新市の市長と議会が決めることだ」という発言を、私たちは忘れてはいない。
(03年3月8日) 【写真は合併協が行った地区説明会】