お茶の花

家の近くにいくつもの小さな茶畑がある。この季節になると、白い可憐な花を見ることができる。
以前、お茶農家の人から「花を咲かせては駄目だ」という話を聞いたことがある。その時は、理由を聞きそびれたのだが、白い花を見るたびに、「駄目だ」という言葉を思い出していた。
今年は、お茶の花がいつもの年よりたくさん咲いているような気がした。もしかしたら表年とか、何年に一度の当たり年があるのかもしれないと思い、調べてみた。ネット検索は便利なもので、いくつかのお茶農家サイトに花のことが書かれていた。

「茶園にとって花は困り者」というのが結論である。
花が咲くと、来年の新茶に備えるべき栄養が花に取られてしまうため、茶園では花が咲かないように手入れをするという。天候や管理が行き届かなかったりすると、茶の木が弱り、花が咲くようだ。夏から秋にかけての天候が茶の木にも大きなダメージを与えていたのだろう。
ここからは素人の推測になるが、茶の木が弱ると子孫を残すために花が咲き、実を付けようとようとするのかもしれない。栄養分を実に渡した親木には、来年の新芽を準備する余力はなく、新芽は何年か先の新しい世代に引き継がれる。世代交代の証として花が咲く。
もちろん、花が咲いたからと言って茶の木が枯れてしまう訳でもなく、ドラマチックな展開にはならないが、種を守る仕組みが可憐な花には秘められていることを改めて感じる。そんなことを思いながら、茶畑を見ていると、白い花がいつもの年より慈しく思えた。
立冬が過ぎ、週明けはおいべっさんだ。富士山頂の雪も、だんだん下界に広がり始めている。海に浮かぶカモメたちも、心なしか寒そうだ。

≪ 清水みかんわいん | きょうの清水 | あっ朝市 ≫
「お茶の花」へ届いたコメント
お茶の木の性質をうまくコントロールすることで、美味しい茶葉が作られるのですね。
お茶の花のいきさつを知ることで、普段飲んでいるお茶も、ひと味違って感じられそうです。
磯 | 2007年11月18日
植物は自分が弱った時に子孫を残すために花を付け実を付けるようです。
農家はその性質を利用して収穫を増やそうと努力しますが、
お茶だけはその反対。実を収穫するわけではないので、花を付けるのはいい事ではありません。
MARUMA | 2007年11月18日