秋祭り

毎年10月第2週の土日、鹿島神社例大祭が開かれる。13日土曜日の朝7時、打ち上げ花火の音が響く。大きな音は鹿島さんと矢倉さんだろう。少し小さな音がいくつも聞こえる。村祭りの開始を告げる花火だ。
提灯の明かりがまぶしい鳥居をくぐり境内に入ると、いつもの場所にテントが張られ、裸電球がみんなの顔を明るく照らしている。

婦人部の人たちはおでんや、力むすびを仕込むため朝の5時から集まって準備をしたという。もちろん、それより前から準備に追われている。大変な作業なのだが、仲間が力を合わせることの大切さを、身体で教えてくれているような気がする。どんな行事でも、裏方の努力に支えられ、はじめて成り立っている。

カラオケ大会が終わり、相撲甚句が始まった。化粧まわしをつけた力士たちが土俵に上がり、ゆっくりした所作を繰り返しながら西久保相撲甚句を詠う。
氏神様ごとに行われる甚句は、それぞれ歌詞が違うという。西久保相撲甚句は、出征兵士を激励する言葉がいくつも出てくる。昭和初期につくられたものなのだろうか。
西久保相撲甚句(大内吟月作)
袖師町誌によれば、記録に残っている一番古い甚句は、明治45年(1912)に横砂の井上侯爵別荘で行われた「皇太子殿下台観角力」で謡われたものだという。
甚句は江戸時代から続いていると思われるが、紙に書かれなかった伝承文化は、今となっては幻だ。五穀豊穣への祈りと、地元の名物や自慢が盛り込まれていたのかもしれない。

祭りの一週間前に鹿島さんの清掃当番が回ってきた。朝7時に集合して掃き清める。作業自体は15分ほどで終わる。いつもの年より、落ちている銀杏が多いような気がする。夏が長かったせいなのか、拾いにくる人が少なくなったからなのか分からないが、境内のあちこちで銀杏の匂いがした。
