軒先の市

久し振りの雨になった金曜日、袖師公民館に「庵原川さくら祭り」の出店書類を届けに出掛けた。毎年4月始めに行われている地域の祭りに、仲間たちで参加している。
いつものように袖師小学校の正門の前を公民館へ向かうと、農協の前で野菜や花を並べた市をやっていた。
建て替え工事で袖師支店が新しくなり、同時に隣にあったふれっぴー袖師店が解体された。農家の名前入り野菜を販売する「清水野菜村」を楽しみにしていたので、綺麗になった建物を複雑な気分で見ていた。

袖師支店の軒先は自転車が置けるスペースになっている。そこに、野菜や花が並べられていた。聞けば、毎週金曜日に、ここで市を開いているという。
ビニール袋にぎっしり詰められているブロッコリーがあった。小さな株が細かく切ってある。お馴染みの形とずいぶん違う。袋に張られたシールには100円、その下には生産者名が書かれている。
「これ切ってあるんですか」婦人部の人に声をかけると「あらっ」という返事が。生産者は農家に嫁いだ同窓生だった。

ブロッコリーは太い芽の他に細い芽が沢山出てくるという。「切ってもすぐに生えてくるんで、それを切ったのが、これなの」だと教えてくれた。
袋はさほど大きくなかったが、家で中身を開けたらかなりの量が入っていた。一家で食べるには十分過ぎるほどが、100円で買えた。食べる前から得した気分で、満足してしまう。
湯を沸かし、塩を入れないで茹でてみる。濃い緑に光沢が加わったような、鮮やかな色合いになる。みるい食感と、ほのかな味わいが舌に心地良い。ブロッコリーのさくさくした感触とは、別の味わいだ。
近所の人に、毎週金曜日に袖師農協支所前で開いていることを話したら「知らなかったの」と言われてしまった。安くて美味しい情報は、すぐ駆けめぐる。