大晦日の海

数日前の嵐が嘘のような港に、冨士山が美しい。
ここに来ると、五色の紙テープをなびかせて出航する船を見送った記憶が蘇る。
魚の臭い、油とペンキの臭い、エンジンの音。昔を思い出させてくれる道具が、ここには残っている。
ここに来ると、気持ちが安らぐのは、半世紀近く前の記憶が蘇るからだろうか。
2006年も、あと数時間で幕を閉じる。
いつもの年と同じように、今年もいろいろなことがあった。
目の前にそそり立つ現実という名の岸壁は、気持ちの中でマッターホルンと肩を並べている。それでも、一歩一歩登ってゆくしかないと思う。時には沢の水で喉の渇きを癒しながら、明日からもまた登ってゆこう。

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