マルチステージ

チラシには徒歩5分の範囲に、スーパー、内科や歯科の開業医、小学校、保育園、バス停があり、車で5分なら、厚生病院、清水区役所、ナショナルトレーニングセンター、JR清水駅、静鉄新清水駅、エスパルスドリームプラザまで書かれている。よく見ると小さな字で注釈があった。「掲載の距離は地図上の概測で、所要時間は徒歩・分速80m、車・時速40kmで換算したものです。なお、信号待ち等の時間は含みません。距離、時間の表記では『約』を省略しています。」 サカマルとハックは隣り合わせの店舗で駐車場も同じだが、チラシではサカマルが徒歩4分、ハックが3分となる。「約」を省略しているからだろうか。こんな表記のやり方があるものだ。
西久保のバンダイが売却され、マンションの建設工事が始まっている。そのチラシが朝刊に挟まれてきた。
「5min」という見出しが目に飛び込んでくる。確かに、学校や開業医、スーパーなどは徒歩5分程度の距離にある。ここからは、山が近いため6階建でも富士の眺望は望めないだろうから利便性を売りにしている。
清水だけではないと思うが、次々にマンションが建設されている。ここ数日、新聞に折り込まれてきたチラシを集めてみた。
サーパス清水駅前、ディークラディア清水駅前、グランサラ清水神田、メゾン・グランツ清水万世町、アイディーコート清水千歳町。
名称だけで判る人は少ないと思うが、もとの建物を知ると、「あそこか」と判る。
サーパス清水駅前は「映光カメラ」、ディークラディア清水駅前は「駅前銀座のトラヤ」、グランサラ清水神田は「神田町交番隣のテニスコート(三井物産社宅)」、メゾン・グランツ清水万世町は「静岡中央銀行清水支店」、となる。
どのマンションも利便性、眺望、価格で競い合っている。東京のマンションでは富士山が見えると価格を決めるポイントが高くなるらしいが、清水ではどうなのだろうか。
新しい住宅に、新しい住民が入り、清水の人口が増えることを期待したい。
ただし、新しい建物の登場で日当たりが悪くなってしまう昔からの住宅もある。風の流れが変わる場所もある。
新しい利便性は、時として昔からの利便性を上書きしてしまう。古くからのものと、新しいものが共存する。シングルではないマルチ。そんなまちづくりは夢物語なのだろうか。

昭和30年代始めには、空き地や長屋があった場所に、今井科学がプラモデル工場を建設した。その後、工場はバンダイが買収し、バンダイ清水工場として親しまれてきたが、静鉄不動産へ売却された。工場跡地に6階建てのマンションが建設される計画だ。地元では一戸建分譲地への変更を求める要望が自治会から出されている。