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2006年08月10日 次郎長

チャンバラ映画

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東映映画「任侠清水港」。岩場に砕ける波が東映のトレードマークだと思っていたが、この作品に波は登場していなかった。セットも大掛かりだが、ロケの場面は圧巻だ。段々畑が広がる農村、遠くまで見通せる海岸線や河川敷。江戸時代そのままの風景が昭和32年には残っていた。


昭和32年に公開された東映オールキャストの正月映画「任侠清水港」を観てきた。

上映を主催したのは「次郎長でいかざあの会」。NHKで放送中の木曜時代劇「次郎長・背負い富士」をきっかけに、清水のよさをアピールしようと作られた会である。

昼の部と、夜の部の二回上映で、映画の前には演歌歌手稲葉永子さんが「花の次郎長三人衆」などをステージで披露した。昼の部には清水芸者衆の踊りもあった。

主催者代表が挨拶のなかで「昔、栄寿座で行われていた映画と実演を楽しんで下さい」と語っていたが、栄寿座全盛期を知らない世代にも、唄と映画は楽しめた。

「任侠清水港」は保下田(ほげた)の久六の制裁、石松代参と惨殺、都鳥への復讐、黒駒の勝蔵との決闘と、お馴染みのストーリーだ。ただし、当時の観客は、このストーリーを映画や講談で何度も見聞きし、社会人の常識として理解していたと思う。

ストーリーの基礎知識と役者のランク付けが判らないと、理解に苦しむかもしれない。なにせ、水戸黄門でお馴染みの東野英治郎が悪役なのだ。

任侠清水港半世紀前の映画は、古典と向き合うような心構えが必要だ。

とはいっても大衆娯楽映画であるから、基礎知識が判っていると後は善玉悪玉の世界で楽しめる。なにせ、100人を越える決闘でも、善玉軍には死者は出ず、悪玉軍は壊滅する。

ポスターには袴姿と出入り装束の二人が睨み合っている。

左が次郎長の片岡千恵蔵、右が大前田英五郎の市川右太衛門である。映画のキャスト紹介では最初に市川右太衛門が一人だけ、後は画面に複数の役者名が出て、最後に片岡千恵蔵が一人で出ている。

しかし、映画のなかで右太衛門が出てくる場面はほんの僅かだ。黒駒の勝蔵と河原で対峙する清水一家の仲裁に入る見せ場があるだけ。それでも、右太衛門の存在感は観る者を唸らせる。


黒鉄ヒロシ氏は「清水の次郎長」後書きのなかで、昭和24年から43年までの20年間に公開された次郎長映画の本数を書いている。

昭和24年が1本、続いて3,2,2,5,9,3,6,2,8,3,3,9,6,5,5,4,2,1,2の合計81本。8本や9本の次郎長映画が公開された年があることに驚く。

戦前から、縞の合羽に三度笠、切った張ったの次郎長が絶大な人気を誇っていた。しかし、戦後の混乱が収まり高度成長が叫ばれる頃に、映画の世界から次郎長は消えた。

大正生まれや昭和ひと桁世代が若かった頃、一年に9本もの次郎長映画が制作された時代があった。人々が次郎長の姿に拍手喝采を送った時代の気分をもっと知りたくなった。

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キングレコード所属の稲葉永子さん。唄いながらの身のこなしは素晴らしかった。やはりプロは違う。


「次郎長でいかざあの会」が主催する映画会の第2段は、1982年に公開された前田陽一監督作品の「つっぱり清水港」である。

主役は中村雅俊、森の石松に島田紳助、大政が原田大二郎、小政が明石屋さんま、桶屋の鬼吉は佐藤浩市、それに元キャンディーズの田中好子も出ている。現在もテレビや映画で活躍している役者たちの24年前の作品である。

8月25日(金)午後7時30分~9時、会場は清水駅前銀座イベント広場(長崎屋跡地)で、入場無料の野外映画会となる。

先着300名にはスポンサーの第一パンとキリンビールから、パンと飲み物が進呈される。

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「チャンバラ映画」へ届いたコメント

テレビ番組のお宝鑑定団で島田伸助が、森の石松役で映画に出たときのことを喋っていました。たぶん、1982年に公開された「つっぱり清水港」だと思います。

その頃、吉本新喜劇の若手だった島田紳助のギャラは一日4500円で、エキストラの学生は9000円だったとか。浜岡砂丘でロケをしたようです。

8月25日金曜日の野外映画会は先着うん百名様にキリンビールから飲み物と第一パンからは食べ物が出るそうですから、早めにいくべし。

 野外映画で次郎長さんというのは、いかにもしっくりきますね。いっそのこと、正月三が日はドリームプラザで「迎春、次郎長大会」、シネプレックス全館で次郎長映画上映とかね。

 こちらではKBS京都というローカル局が、「中島貞夫の邦画指定席」という番組を製作していて、毎週水曜日、中島貞夫監督の解説で懐かしの日本名画を放映しています。やはり東映や大映の京都撮影所ものが多く、「悪名」とか「七つの顔の男」とか「旗本退屈男」などに混じって次郎長物もかかります。なにより全盛時の太秦を知っている中島監督の裏話が楽しいです。

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