「夢の船」

清水からの富士山の眺めのなかで、定番はいくつもあるが、清水をよく知らない人に「三つ選んで欲しい」と聞かれたら、こう答える。
ひとつは日本平からの眺め。これは、三保半島の向こうに富士が続き、清水と駿河湾の位置関係が判る。
もうひとつは三保の海岸からの眺め。こちらは、銭湯のペンキ絵そのものだ。
三つ目は清水港からの眺めである。船とクレーンは貿易港の象徴であり、清水というまちの姿を端的に表現していると思う。

フェリー乗り場の隣に、静岡県の防災船「希望」が停泊している。未来の船として造られた実験船「テクノスーパーライナー・飛翔」を県が買い取り、フェリーとして改造したものだ。
清水と下田を往復していたが、原油高騰のあおりを受け、秋以降の就航を中止した。
これまでの評判も悪かった。波が荒いと航行できない、年中故障する、潮風に吹かれるデッキがなく航海中は客室から出ることができない、等々。
もともと、実験船で、廃棄処分するところを静岡県が買い取った経緯があり、快適な船旅を求める方が無理だと思う。
防災船として、東海大地震が起こったら物資輸送に活躍する予定なのだが、構造が特殊なため、どの港にも接岸できる訳ではないなど、役立つのか不安視する人もいる。
10月18日、石原東京都知事がテクノスーパーライナーの小笠原航路を断念した。115億円かけて建造された「夢の船」は就航前に挫折した。この超高速貨客船を建造するための実験船が「飛翔」、つまり現在の「希望」である。
●就航前に断念が決定したテクノスーパーライナー関連記事(小笠原新聞社)
●テクノスーパーライナー「飛翔」の紹介(横須賀市港湾部港湾企画課)
●メーカーによるテクノスーパーライナーの解説(潮冷熱株式会社)
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