鯛めし

明日は「おいべっさん」だ。気候温暖な清水でも、この辺りまで来ると暖房のお世話になり始める頃だが、今年はどうだろうか。
恵比寿様と言えば「鯛」である。古来から鯛の力強さ、生命力が人々の信仰を集め、縁起物になったのだろう。
その昔、九州を旅した時、不知火海で地元の人に頼んで鯛漁に乗船させてもらったことがある。船べりに立った若者が、タイガシと呼ばれる網を手繰り寄せると、泡がいくつも昇ってくる。泡の下に桜色に光る鯛が見えた。大きな真鯛だった。引き上げられた後も、激しく跳ね、鋭い歯が見えた。
鯛を見るたびに、海面に昇る泡と、激しく跳ねた桜色を思い出す。
縁起物の焼き鯛は、鯛めしにしてみた。いつも通りの水加減にし、米の上にガーゼを敷く。焼き鯛を乗せ、後は普通に炊く。蒸らしが済んだら、ガーゼごと鯛を取り出し、骨と皮を丁寧に取り除き、ほぐした身を、軽くまぜる。鯛の旨みと塩味が染みて、美味しい炊き込みご飯になった。
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