●清水JCが合併協へ提出したアンケート報告

清水JCは、合併協議会へ「住民発議署名ボランティアに対するアンケート結果 報告」を提出した。報告の全文を紹介する、

アンケート対象となった1167名のボランティアは、住民発議で実際に署名を集めた人たちである。そんな経験をもつ、受任者へのアンケート調査で回答総数が221件しかないというのは、報告書に書かれている事情からしても、極端に少ないと言える。

静岡新聞は、18日付夕刊で「賛成85%」と見出しを付けたが、清水JCの報告ではパーセントは出していないことに留意して読んで頂きたい。


    2002年3月13日

    静岡市・清水市合併協議会事務局 御中

    住民発議署名ボランティアに対するアンケート結果 報告

    社団法人清水青年会議所 理事長 大川美代子

      私共(社)清水青年会議所は、静岡市・清水市合併協議の大詰めの時期にあたり、去る1997年に 行いました、静岡市・清水市合併協議会設置請求の署名活動の際、署名を集めるためにご協 力いただいた清水市在住のボランティア1167名の方々(以下、「署名ボランティア」と略) を対象に、アンケートを行いました。

      貴協議会におかれましては、このアンケートの意義をご理解いただき、この結果 報告を来る3月 20日の合併協議会における、合併の是非協議の一助にしていただけますよう、よろしくご査収の程お願い致します。

    ◎ アンケートの主旨

    住民発議、合併協議の立ち上げの原動力となった「署名ボランティア」の方々に対し、合併問題の判断材料が提示された段階で、アンケートを取り、その意見を集約しました。 これを市民の声として貴協議会に伝え、判断材料の 一つとしていただいた上で、合併協議会委 員の皆様には地域の将来に向け責任ある ご協議をしていただきたいと考えます。

    ◎ アンケート対象者

    清水市在住の「署名ボランティア」1167名の方々。但し数名の方が鬼籍に入っておら れます。 また、転居のためアンケートをお届けできないケースが数多くありました。

    ◎ アンケート内容・運営

     今回のアンケートでは、「署名ボランティア」の方々のお手許に、静岡市・清水市合併協議 会で作成された冊子「静清合併『人間躍動都市』の実現に向けて」と別 添のアンケートをお 送りし、アンケートの中の設問1、2については、冊子を読んでいただいて、「新市建 設計画」を理解していただきながらアンケートにお答えいただきました。

    ◎ アンケート回収 回収方法については、原則としてFAXによる返信をお願いしました。

    2月20日の合併協議会で新市の名称が決定する、という前提のもと、回答していた だくこととし、返信期間を2月21日から28日ということで設定しました。 しかし、2月20日に名称が決定せず、28日に至って決定したためか、3月になってか ら返信されてきた返答数がかなりの数を占めました。

    アンケート集計

    アンケートの回収総数  221件 全回答のコピー別 添

    有効回答数
    全問有効    198件
    設問1のみ有効 208件
    設問2のみ有効 209件
    設問3のみ有効 213件

    設問1

    冊子の「新市のまちづくり」(P15〜36)の「新市の施策」6つ(P21〜32)に、 あなたが一番重要だと思うものから順に ( ) に1〜6まで番号を記入してください。

    集計・分析

    208件を対象とする 「1」を得点6、以下順次得点を減らし、「6」を得点1とすると、得点は

    1.生活環境   852
    2.産業経済   837
    3.都市基盤   715
    4.保健福祉   666
    5.教育文化   663
    6.行財政    635

    理由欄からの抜粋

    ・ 成熟社会に到達した21世紀、多少の経済発展の遅れがあっても、高齢者、少子化に鑑み遅 れている福祉、文化的生活、教育を優先する行政が望まれる

    ・ 政令指定都市になって安定した財政力と都市としての権限をもつことが最大の魅力。

    ・ 行財政のスリム化 箱モノは要らない 文化と福祉を進める ・ 産業がおきて教育・文化もおのずと栄える 無駄な金は使わぬこと ・ 静岡・清水に限らず県、国レベルでみても借金が多すぎて破産寸前です。 まず、健全財政あ りき。 道路や下水道といった民間には出来ないものを優先して造って欲しい

    ・1 .合併によるムリ、ムダ、ムラを無くすこと。
      
    いかに税金を安くするか職員、市会議員の 削減すること

    ・2 中小企業の育成

    ・3 日本平の観光地を生かすこと

    ・ 目先の投資でなく未来を見据えた投資は教育以外に無い。 教育を最重点においた新市構想 を樹立することを何よりも最優先されたい。

    ・ 新しい施設や大きな建物を建てることだけがまちづくりではないと思う 分析 生活に密着した「生活環境」と、厳しい経済状況を受けてのことか、「産業経済」を重 要視する傾向が出ました。

     「行財政」は、内容が行財政運営的なもので、抽象的で、 わかりづらいものが多いせいか、ここの順位では6位です。

     しかし、設問3の理由欄 等からすると、行財政の効率化を求める声が非常に強く、むしろ、行財政面 での向上は あたりまえのことと考えられているようです。

    設問2

    冊子の「新市の市民生活」(P37〜44)の4つに、 あなたが一番重要だと思うものから順に ( ) に1〜4まで番号を記入してください。

    番号の総計

    209件を対象とする 「1」を得点4、以下順次得点を減らし、「4」を得点1とすると、得点は

    1. 家庭生活の面から見た新市の暮らし 642

    2. 高齢者や障害者の面から見た新市の暮らし 523

    3. 親と子供たちの面から見た新市の暮らし 475

    4. 教育の面から見た新市の暮らし  450

    理由欄からの抜粋

    ・ 社会の仕組みは家庭生活の教育より育つ。 自分の子は自分でしつけることが重要 今の少子化の原因は子供を安心して預けられる場所が無い点。 高齢者の問題も結局は 少子化抜きには語れない。

    ・ 社会的弱者といわれる方々の暮らしがしっかりしていると、普通 の人々の生活も暮らしよく なると思うから

    ・ 安心して暮らせる快適生活環境という基盤があって次がある。

    ・ 老人や障害者が分け隔てなく生活できる社会が大切だと思います。建物もそうですが、人 と人とが心を触れ合えるような新市が理想です。市のサービスの向上も不可欠です。

    ・ 清水市は公園がまともなものが無い。市民会館を筆頭にまともな施設が無い。

    ・ 現在、耐震化が教育施設に不十分 ・ これから高齢者が多くなります。暮らしやすいことと、家庭・親子・教育も切り離せませ ん。老人、障害者にやさしいこと、よい人間を育てることが人としての役割です。

    ・ 両市より、若い人たちが近隣の市町村に移っている現実

    分析

     日々の生活に直結した「家庭生活」が、やはり他を圧して重要視されました。理由欄に かかれたコメントも「家庭生活」面に関る点が多く、様々な希望、不満が寄せられました。

    設問3

    清水市・静岡市の合併に関る住民発議は、目先の損得のみに捕われず、「未来の子供たち のために、私たちのまちを考えよう」という主旨で行なわれました。

    上記設問1、2も、その主旨に基づいた合併協議の結果 について、皆さんが何を重要視さ れているか、ということをお聞きしたものです。 このような主旨を踏まえた上で、あなたは清水市と静岡市は、合併すべきだと思います か?

    有効回答数 213件   はい 182   いいえ 31

    理由欄からの抜粋

    「はい」と答えた回答者の理由

    ・合併して行財政を効率化しましょう。

    ・1.静岡・清水の境界意識が既に無くなっているので自然に受け入れられる 2.人材、経済財政全て広域的に行うことが未来展望を明るくさせる。 3.様々な問題が生じても人知を持って解決していけるはずである。

    ・ 行政の範囲が狭いと行政と業界が癒着しやすい。行政コストの合理的な運営。

    ・ ただし、合併により特別に利益を受ける議員特例等を利用しないできちんと選挙すること。 合併の可否を市民に問うこと。

    ・ 合併してから種種の問題を解決すべき。 取りざたされている企業エゴより脱却したらどう か。

    ・ 両市の経済圏、生活実感上境は無く、一体である。より効率的な行政とともに、それぞれの持 ち味を生かしたまちづくりを広域的に進めるべきである。

    ・ 地域分権強化 地域発展の長期展望上。また長年の清水の課題である市政状況のマイナス 志向からの改革とローカル大企業の影響による市政・産業界の沈滞化からの脱却。

    ・ 政令指定都市化を目指し、都市核の機能向上と発展により国内はもちろん世界的な拠点都市 としての役割を担っていくことができるから。

    ・ 近い将来を考えた時、防災(地震対策)やごみ問題は清水市だけの問題とは言えず、どっち にしても静岡との連携が必要だと思います。子供たちの未来を思う時、教育関係の現状は とてもベストとはいえないので合併してよりよいものを目指して欲しいです。

    ・ 公的部門の削減を強力に進め、市民の自己責任に基づく方向にする。(新市建設)計画の 中には、箱物の建設が非常に多すぎ、建設・維持管理費を含めて運営がプラスかトントンで 考えているとはとても思えない。再検討(するべき)の計画が非常に多い。

    ・ 議員数、市職員の人員の削減と、合理化、活性化を促進する。

    ・ 駅前銀座の寂れ方を見ていると今まで競争意識が薄かったのではないかと思うのです。清水 市の閉鎖的な市民意識を変えるためにも合併すべきだと思います。

    ・ 合併によりパイが大きくなれば自由度がそれだけ大となり発展の前提条件が抜本的に改善 される。議論の余地は無い。個々の利害はきりが無い。 「いいえ」と答えた回答者の理由

    ・ 政治家だけが特をする合併は絶対に反対です。

    ・ 静岡市は今後も消費を中心とする都市、清水市は生産活動を中心とする都市。(中略)中 央政府とのつながりはほどほどにして清水市、静岡市がまず自立することが大切。将来性 をあまり持たない静岡市は、新市合併にとってマイナス。可能性を残した清水市の自立のほ うが、たやすいと思う。

    ・ 増税して税金や借金を増やし、オペラハウス建設や奥地の開発をやると、後で無駄 になる施 設になるものと思う。合併が本当に市民のためになるのか、もっと時間を掛けて決めるべ きだ。政令市が必ずしもよいとは考えられない。

    ・ 時期尚早 一般市民に合併の意識が薄い。

    ・ 合併で問題は解決しない。合併する決意も血を出す覚悟も無いものがやるべきではない。 ・ 合併するとしても政治・行政が変わらないと意味がないと思います。合併で余計なコストを 掛けるだけ大変になりませんか。

    ・ 合併の目的がはっきりしない。対等合併と言えない。即刻議員定数を削減し、コスト削 減を図るなどが必要。民間の厳しさとは程遠い。行政のあり方にも疑問を感ずる。

    分析

    この設問3では、合併賛成の回答が圧倒的に多いが、賛成(「はい」)の回答をした方々でも、 合併後の新市の建設については、期待を抱いている意見ばかりではありません。 合併に賛成、反対を問わず、行政の効率化について求める声が非常に多くありました。新市 建設計画は、現在の両市の計画を元にしているものが多く、かつ、施設の建設などは理解しやす いせいもあってか、槍玉に上がっています。

    また、議員数、市職員数については、明らかに多い、 という認識が強くあるようです。また、清水市の現在・将来に対し抱いている危機感を元に、合併するべきである、という意見 も多くありました。

    まとめ

     回答全体の傾向として、身近な生活に関る点について重視する傾向が強くありました。 設問 1、2で最も重要視されたのは「生活環境」であり「家庭生活」でした。

     これに続いたのは、設問1 の「産業経済」です。現在の経済状態からして当然気にかかるところでしょう。 清水市・静岡市が置かれた厳しい現状を背景に、新市を創るのであれば、行財政問題を気にし つつ運営していくべきだ、という主旨の意見が多くあります。

     設問1で「行財政」を重要度で上 位に挙げていない回答者でも、設問1、3の理由欄で、行政の効率化について数多くの熱心な意 見を書いていただいています。 合併に対しての賛否に関らず、税金の使い道については厳しい目が注がれている、と言え るでしょう。

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▲「賛成85%」が強調された3月18日付静岡新聞
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