| 広島市の財政状況について 1 広島市財政の現況 (1) 現況を示す主な数値 |
| 平成元年度決算 10年間の増減額等 平成11年度12月補正後 ◎伸び悩む市税 1,813億円 −(315億円増、17%増) →2,128億円 [最近は2年連続して落ち込む市税] [H2,253億円 I2,179億円] ◎増加し続ける義務的経費 1,450億円 −(1,044億円増、72%増) →2,494億円 ◎膨らんだ借金(市債残高) 3,478億円 −(4,802億円増、138%増) →8,280億円 ◎底をついた貯金(基金残高) 527億円 −(▲455億円減、▲86%) → 72億円 |
| (平成元年度)
(平成11年度) ◎市民1人当たりの市税負担額 16万9,500円−(ほとんど伸びない)−18万9,500円 ◎市民1人当たりの借金 32万5,200円− (2倍以上増えた) −73万7,600円 ◎市民1人当たりの貯金 4万9,300円−(ほとんど無くなった)− 6,400円 |
| (2) 解説 本市の財政は、長引く景気低迷により、主な収入である市税が平成10、11年度2年連続して落ち込む一方で、支出のうち削減しにくい義務的経費(人件費、扶助費、公債費)が大幅に増加している。現在では、義務的経費が市税収入を大きく上回り、この10年間で市税収入と義務的経費の関係は完全に逆転した。(図表1) また、家計で言えば貯金に相当する基金も底をつき、その一方で借金に相当する市債残高(平成11年度末残高8,280億円)は、一般 会計の規模(平成11年度12月補正後予算6,218億円)を大幅に上回っている。(図表1、2) (現在の広島市の財政状況を家計に例えるなら) |
| 収入が伸びない中で生活を維持するために、貯金の取崩しと借金でやり繰りしてきたが、もはや貯金はなくなり、借金はかなり増えたので、今後はあまり借金もできない状況である。 |
| 2 広島市の主な財政指標 (1) 主な財政指標(平成10年度) |
| ・経常収支比率 92.3% 財政構造の弾力性を測定するための指標である。一般的に、都市にあっては、80%を超えると財政構造は弾力性を 失いつつあると考えられる。 ・公債費比率 20.8% 公債費(市債の元利償還金)負担の状況を示す指標である。具体的には、一般 財源総額に占める公債費の一般財 源所要額の比率を見ようとするものである。 ・起債制限比率 14.9% 公債費比率と同様に公債費負担の状況を示す指標であり、公債費比率を求める算式の分母、分子から交付税措 置のある公債費分を控除したものである。すなわち、実質的に当該団体の市税等で負担する公債費の比率を示す ものである。また、この比率は地方債の許可制限の指標として用いられており、20%を超えると一定の地方債の 発行が許可されなくなる。 ・財政力指数 0.781 基準財政収入額を基準財政需要額で除した数値の当該年度を含む過去3か年の平均数値をいい、財政力を示す 指数である。この指数が1以上の場合は財源的に余裕があることを、1未満の場合は財源が不足していることを意 味している。 |
| (2) 解説 @ 本市の平成元年度から10年度までの主な財源指標の推移を見てみると、どの指標も悪化の一途をたど っ ている。また、平成10年度の指標を他の政令指定都市と比べてみると、いずれも悪い方のグループ に属している。(図表3、4) A 特に、経常収支比率は、平成元年度、2年度の頃は60%台で財政構造に弾力性があったが、平成10年度 には、92.3%と急速に財政構造の硬直化が進んでいる。つまり、市税や地方交付税等の一般 財源の9 割以上が人件費、扶助費、公債費等の経常経費に充当されており、政策的経費に充てられる一般 財源は1割 にも満たないということである。このままの状態では、新たな行政ニーズに的確に対応することは困難であり、 経常経費の抜本的な見直しを行う必要がある。 B また、公債費関係の2つの指標である公債費比率と起債制限比率を見ても、平成元年度から10年度の間に 公債費比率が7.5ポイント、起債制限比率が3.8ポイント上がり、平成10年度は、公債費比率が20.8%、 起債制限比率が14.9%と、いずれも阪神・淡路大震災の復旧・復興事業を行った神戸市に次いで政令 指定都市では2番目に悪い状況である。ここ2、3年で起債制限比率が20%を超えるわけではないが、起 債制限比率はまだまだ上がる見込みであり、今後の市債発行については抑制していかなければならな い。 C 財政力指数についても平成元年度0.840から平成10年度には0.781と悪化してきており、市税 等の財源不足が大きくなってきていることを示している。 |
| 3 今後の広島市の財政収支の見通し (1) 財政収支見通し @ 現時点で見込める平成12年度の市税収入等をベースにその後の経済成長率を1.75%と仮定し、 投資的経費を固定した場合の財政収支見通しを作成した。 A それによると、財政再建策を講じない場合は、平成13年度から15年度まで毎年、117億円から296 億円の巨額の収支不足が見込まれる。したがって、今までどおりの財政運営を続けていくことはでき ない状況である。(図表5) (2) 財政再建団体とは @ 財政再建団体の要件としては、前年度の赤字比率(実質収支/標準財政規模)が5%以上の都道 府県又は20%以上の市町村である。 A 財政再建団体は、企業に例えるなら、会社更正法の適用を受けて再建を行う場合に相当する。 本市の場合、平成11年度で言えば、平成10年度の実質収支の赤字額が578億円を超えると、 財政再建団体となる。 B 財政再建団体になれば、国の管理・指導のもと財政再建を目指すが、その場合は自治権が大幅に 制約されるばかりか、市民サービスにも多大な影響を与えることとなる。 C 財政再建団体である福岡県赤池町(平成4年2月から再建団体)の事例 |
| (歳入確保) ・町営住宅、町民会館、体育施設の使用料を20〜30%程度引上げ ・水道料金、汚水施設使用料、各種手数料なども引上げ など (歳出削減) ・職員数の1割削減、昇給停止、時間外手当のカット ・国の基準を超えたサービスの打ち切り ・普通建設事業のうち単独事業の取りやめ ・老人会、体育協会、各種協議会等への補助金の大幅カット・打ち切り など |
| 4 今後の財政健全化へ向けての取組み 歳出構造の抜本的な見直しが最大の課題 @ 市税等の収入が伸びない状況では、歳入の伸びに見合った歳出構造の確立が必要であり、言い換えると、 「身の丈に合った財政運営」を行う必要がある。 A 平成13年度以降見こまれる117億円から296億円の巨額の収支不足を解消するためには、投資的経費 の削減だけでなく、人件費など消費的経費を含め予算全体について大幅な見直しが必要である。 そのため、平成12年度予算編成では、事務事業全般にわたって聖域ない見直しを行うため、経常費につ いても一件査定を実施することとした。 B また、平成12年度からは介護保険制度が導入され、一般会計の歳入・歳出構造も変わることから平成12年度 の予算編成に合わせて、中期の財政収支見通しを見直すとともに財政健全化計画についても財政健全化 のための具体的方策について見直すこととしている。 以上述べたように、21世紀の広島の都市づくりを支える新たな行財政システムを構築するためには、まずは財政構造の抜本的な見直し・再構築が必要である。 |
図表編 |
| 図表1 逆転した市税収入と義務的経費の関係 |
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| 図表2 |
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| 図表3 広島市の財政指標の推移(平成元年度〜平成10年度) (単位 :%) |
(注) 経常収支比率=経常経費充当一般財源/経常一般財源総額×100 公債費比率=(公債費−充当特定財源−普通交付税に算入された災害復旧費等の公債費) /(標準財政規模−普通 交付税に算入された災害復旧費等の公債費)×100 起債制限比率=(公債費−充当特定財源−普通交付税に算入された災害復旧費等の公債費−普通 交付税の事業費 補正に算入された公債費)/(標準財政規模−普通 交付税に算入された災害復旧費等の公債費 ー普通交付税の事業費補正に算入された公債費)×100 財政力指数=基準財政収入額/基準財政需要額 |
| 図表4 平成10年度の主な財政指標の政令市比較 (単位 :%) |
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| 図表5 13年度以降の経済成長率を1.75%と仮定した場合の中期財政収支見通 し (単位 :億円、%) |
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