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合併通信5号(98年12月8日発行)に掲載した学習レポート
合併通信では、98年8月に県の広域行政推進アドバイザー派遣制度を利用して、県総務部町村課主幹の曽田尚寿さんを講師に迎えた公開学習会を開きました。
学習会では、県のパンフレット「地方分権時代の『新しいまちづくりをめざして』市町村の広域行政・合併を考える」を資料として使いました。
●合併で市の財政はどう変わるのか
合併について、「合併すると市の財政規模が両市を合わせたよりも大きくなる」と言われます。もちろん、「だから、いいではないか」という人と、「だけど、大きくなると大変だよ」という人がいます。
合併すると市の財政はどうなるのでしょうか。 県のパンフには「合併により、効率的な行政運営が可能となり、一般
的には諸経費の節約につながります」と書かれています。合併すれば、市長は一人になりますし、議員や部長の数も減りますから「経費の節約」になるということです。
でも、場合によっては新しい庁舎を作ったりしますから「合併直後は新しいまちづくりの費用が必要となったりするために財政支援措置が用意されています」という具合に、節約だけでなく、合併には国から財政への支援があります。
費用の9割が地方債
まず、「合併市町村まちづくり推進事業」への地方債を認めること。事業費を国が最大七割まで面
倒をみることです。(図1)
合併で認められる地方債(地域総合整備事業債)で、新しい事業の90%までを賄うことができます。
でも、地方債は借金ですから、いずれ返済しなければなりません。そこで、地元の負担を軽くするために交付税で賄われる割合は五五%までなのですが、「合併補正」として上乗せして、70%まで国が援助しています。
ですから、仮に新庁舎建設などで、1000億の予算が必要になるとします。交付税が最大で70%まで支給されますから、地元の負担は残り300億です。
これはあくまで最大の数字で、その時の事情によって数字が変わることもあります。
このように条件が整えば、3割の地元負担で、大きな事業ができることになります。
ただし、合併による市町村建設計画でどんな事業をするかが決められてから金額がはっきりする制度ですから、どんなことをやるかも決まっていないうちから、何百億円もの金が下りてくるというのは説明不足といえます。
10年間は特別措置
もうひとつは、地方交付税の特例です。(図2)
市の財政は市民税などの税収入の他に、国からの交付金でなりたっています。市や町によって人口や産業に差がありますから、税収にも差が出ます。その差を埋めるために国からの交付金で補います。
交付金をいくらにするのかは複雑な計算式がありますが、合併により市役所の仕事が効率化され、いままでより少ない金額で運営できるとみなされ、それ以降の毎年、国からの交付税の額が減らされます。
でも、急に減ると地元は困りますから合併後の五年間はそれまでの扱いを続けます。そして、6年目からは毎年段階的に減らし、10年後には特別
扱いを終わりにします。
これが「合併算定替」です。以前は、5年間だけの特別扱いでしたが、九五年の法改正で10年後までとなりました。
税収が減ってゆく時代
合併をすると特例として、三割の地元負担で大きな事業ができます。でも、そのことを「左うちわの美味しい話です。合併すれば都市計画にお金をつけますよ、お得ですよ」とばかりは言ってられないと思います。
バブルの時代は終わって税収がどんどん減っています。巨大な施設が安上がりに造れても、それを維持管理するために地元の負担が重くのしかかってきます。
今の暮らしをより快適にするために、生活に根ざした、まちづくりの構想が求められているのだと思います。(文責・合併通
信)
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(図1) 合併市町村のまちづくりを推進するための財政措置


(図2) 合併算定替が5年から10年に延長された
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