農業用水

清水の市立病院前の道路を南に向かって走ると、国道150線に突き当たる。左折すれば駒越の交差点に向かい、右折すれば石垣イチゴで名高い久能だ。
今週末は、久能街道は狩りで大渋滞となりそうだ。静鉄の定期観光バスが、イチゴ狩り渋滞で身動きが取れず、お客がバスから降りてしまったという話を聞いたことがある。降りたお客は徒歩になるのだが、じ土地勘のない観光客が、それから先どうしたのか謎につつまれた話でもある。
久能に向かい、坂道を右折で登る。150号線との合流点の信号横に派手なペイントの円形タンクがある。よく見ると「JAしみず」の文字もある。農業用の貯水タンクである。

三保の名物だったンクリート製の貯水塔は、老朽化で壊されてしまった。そのことで、農業を辞めた家もあると聞いた。恐らく、ぎりぎりの所で頑張っていたのだと思う。自前の井戸がなければ水道水を畑に使うしかない。農業には膨大な水が必要だ。大袈裟でなく、水道代の支払いだけで、赤字も覚悟しなければならない。
三保にある義父の畑には、自前の井戸がある。深さ5メートルから電動ポンプでくみ上げている。海岸の松林まで数十メートルの距離で、雨の少ない年には、塩分が混じることもあるが野菜の生育を妨げることはないという。
西久保では昭和30年代の半ば頃まで飲み水は井戸だった。手押しポンプは子どもの仕事だった。
蛇口をひねる水道水は小学校で初めて体験したのだと思う。大人達を真似して、「鉄管ビール」などと呼んでいた。
水道水につきもののカルキ臭を感じたかどうか、記憶にない。もしかしたら、味より、蛇口をひねると勢いよく出てくる水の便利さが圧勝していたのかもしれない。
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