時の流れ

新しい技術は、大都会から提供が始まり、それから地方に降りてくる。
ADSLの商用サービスが始まったのは1999年。清水でADSLが開通したのは2001年だった。1.5Mbpsの速度にも驚いたが、それ以上に定額制がうれしかった。
それまでは、接続している時間だけ通話料が請求されるダイヤルアップだった。深夜、パソコンの前で寝てしまい、翌月の電話料金に驚いたという経験は、昔話になってしまった。
ダイヤルアップは、パソコン通信の時代とも言える。PC-VANの開設は1986年、NIFTYは翌年の1987年だ。 どのネットでもBBSと呼ばれる掲示板がメインだった。
日頃はネットでやりとりしている仲間たちが集まるオフラインミーティング(オフ会)は、初対面なのに、旧知の友のような懐かしさと感じるから不思議なものだ。楽しさは、パソコン通信の時代も、インターネットの時代も変わらない。
先週、インターネットで知り合った仲間たちとのオフ会が開かれ、清水在住、清水出身の仲間が集まった。初対面の人とも、最初から打ち解けて、いつもながらの楽しい集まりになった。
そのなかで、巴川がきれいになったことが話題になった。悪臭が酷かった頃を思い出し「あのころに比べりゃ、よくなった」と、喜んだ。子どもの頃の悪臭が、懐かしい思い出になっている。
とはいっても、泳ぐには勇気がいる。親たちの世代が楽しんだ巴川に戻るには、まだまだ時間がかかりそうだ。

【写真上】江尻と入江の境目となる「稚児橋」には河童の像がある。慶長12年(1607)、この橋が架けられ、いざ渡り初めをしようとしたところ、突然川の中から幼い子どもが現れて、するすると橋脚を上り、橋を渡って入江の方に消えたことに由来するという。鹿児島県川内にも、河童と稚児が登場する民話がある。
【写真中】「『ちゃっきり』NET」は80年代に静岡県中小企業振興公社(当時の名称)が異業種交流の目的で設立したBBS。県内各地に出向いて「異業『酒』交流会」が活発に開かれた。BBSは解散したが、同窓会という名目でオフ会が開かれたこともあった。「ちゃっきりネット」という、静岡の特産品を扱う通販サイトがあるが、まったく別である。
9801シリーズの全盛期だった頃、PC-VANは日本最大の会員数を誇っていた。インターネットでの匿名掲示板に眉をしかめる人がいるが、昔のフォーラムの方が荒れていたと感じる人もいる。
【写真下】夕方の巴川、稚児橋から下流を見る。風が止むと水面は鏡のようになり、ときおりボラが跳ねる。