水に流す

三保から興津に向う港湾道路が清水駅を過ぎ、パチンコ屋の賑やかな看板を過ぎると、ゆるやかな坂道を上る。
坂の頂点が庵原川に架かる新袖師橋だ。ここで庵原川は清水港につながる。
日ごろは、車で通り抜けるだけだが、信号を曲がり土手を降りてみた。庵原川には何ヶ所か土手を降りる階段が作られている。
巴川と同じように清流ではないが、かといって泥の川でもなく、臭いもない。時々ボラが跳ねるのは、清水の川のご愛嬌ということだろう。
上流にミカンジュースの製造工場がある。ミカンだけでなく、相手先ブランドで缶コーヒーも作っている。まだ現場を見たことはないのだが、製造工程で出る、コーヒー色の液体が川に流されることが、たまにあるらしい。
茶色に染まった川に驚いた人たちが、行政に問いあわせ、水質調査が行われたが、法的に問題となる有害物質は発見されなかった。
水に流せないわだかまりだけが残った。