中学校の「業者弁当」を試食・・・やっぱり疑問が
給食弁当の業者を見学
清水では小学校は自校式の給食ですが、中学校は会社に委託する「業者弁当」です。給食を納めている会社をを見学し、試食をする機会がありました。
最初に日立の工場の中にある日京クリエイトという会社を見学しました。ここは日立の社員食堂の一部に専用のコンベアを作り、四中と五中に届ける約1000食を作っています。社員食堂なので、カウンターの外からも調理の様子が見えます。
御飯を弁当箱に、素早い手つきでよそっていきます。さすが、慣れている人はいちいち量らずに、できるのですね。訪問した時間が遅かったので、よそう所しか見ることができませんでした。
三中の配膳室はきれいで使いやすそう
次に三中で試食をさせていただきました。まずは配膳室の見学。ここは、業者の方が2人で配膳室の棚に運び込み、そこから生徒さんたちに渡すのは、配膳室の職員です。
三中は業者の給食実施に合わせて新しく配膳室を作ったので、車から降ろすのに、床の高さが丁度良く、配膳室の前の部屋に分別のゴミを入れるゴミ箱もあり、とても使いやすくなっていました。生徒さんたちが取りに来るのも、一方通行でスムーズに進めるようになっています。
普通の教室を改造した学校では入口が込み合ったりします。生徒数が少ないこともあって、食事時間もちゃんととれるようです。
ちなみに、息子が通う中学校では、食事時間が10分しかない時が多くて、落ちついて食べることができないと聞くのですが、単に生徒数だけでなく、この配膳室や通路の違いにもよるようです。
アレルギー対応ができない「業者弁当」
三中は、元々自校式の給食が実施されていた所です。そのためか、給食を食べる生徒が90%以上。お弁当の生徒は17名です。お弁当の生徒はアレルギーや、兄弟がいて一緒に作るからという理由だそうです。この話を聞いて、「業者の給食では、アレルギーの対応ができないのだ」と、改めて気づきました。
ちなみに、自校式の小学校では、数年前からしっかりアレルギーの対応がされています。給食のプリントに、「アレルギーの場合は医師の診断を添えて申し出てください」と書いてありました。
ご飯はあたたかく、おかずは冷たい
本日の献立は、カツカレーと温野菜(正確には茹でて冷やした野菜)、福神漬け、パイナップル缶詰のデザート。牛乳。ちなみにこれらは、御飯の弁当箱、おかずの弁当箱がきて、カレーは汁物を入れるお椀のようなものによそいます。
御飯はまあ温かく、カレーも温かいのですが、おかずはしっかり冷ましています。
汁物は週に1回位とのことで、冬場は温かい給食が御飯とお茶だけでは、少しかわいそうです。「汁物が多い方が良いのでは」と言ったら、「先生方が大変になるので」と、説明されました。妙な回答です。
試食したカツカレーは、なかなかおいしかったです。カツも冷たいのは嫌だろうけど、温かい御飯にのせてカレーも掛けるので、おいしくいただきました。さすが成長期向けでボリュームたっぷり。御飯やカレーはお代わりもできるのです。
もっとも、反対に少食の生徒は残すしかなさそうです。自校式のように、教室で全部よそうのとは違いますから。
清水鉄工給食では
最後に、清水鉄工給食の工場に行きました。見学はできないということで、じっくり説明をお聞きしました。興津中や袖師中、飯田中など7校分2900食と、企業向けなどに5000食作っています。
作ると言っても、パン粉をつける作業などはやらないで、ヤヨイ食品などの冷凍食品を使うそうです。メニューはみな、市の栄養士さんが統一で作り、何を冷凍食品でやるかは、市の方にガイドラインがあるそうです。
市の栄養士が献立を作り、業者に委託して弁当を学校へ配達と聞いていましたが、かなり冷凍食品を使っているようです。食材に何を使っているか、辿ってチェックしていると聞きましたが、不安は残ります。
食育を考えた
ここでは、食育が話題になりました。せっかく栄養士さんが考え、北海道の大豆を使ったブドウ豆は半分が残ってくる、肉団子など好きな物はほとんど残ってこない。「家庭や先生がもっと食育して欲しい」と業者の方から要望が出ました。
しかし、家庭では伝統食はだんだん継承されなくなっています。若い先生がヒジキなどをきちんと説明できるでしょうか。家庭科が男女共修になる以前の男の先生が食育を説明できるのか、食べるよう進めることが単なる強制にならないか。不安はつきません。
旧清水市では、4年ほど前、学校給食の実施を望むお母さんたちの署名活動が行われました。要望は実現したのですが、なんと、自校式でも、センター方式でもなく、業者に委託する「業者弁当」になっていました。
清水の中学校すべてで「業者弁当」による給食が行われていますが、給食は希望者だけなので、現在は約80%が給食を食べ、残りの生徒たちはお弁当持参です。個々の業者さんは頑張っているようにも見受けられますが、疑問はたくさん残ります。
辻小のランチルームで感じた信頼関係
以前、SBSテレビの報道番組に出演して辻小の給食を見学しました。自校式の素敵なランチルームで、調理さんが水に戻す前のヒジキを、子どもたちに見せながら説明していました。プロだからこそ、きちんと食育ができる、作っている人の顔が見えるからこそ、子どもたちと作る人の信頼関係も築けるのだと、強く感じました。♣
【写真1】四中と五中の「給食弁当」は日立の社員食堂で作られています
【写真2】三中の配膳室。右側の棚に納めていきます。
【写真3】生徒の動きは一方通行なので、込み合うことはありません
【写真4】中学校のグランドにある水道。ネットに石鹸が入っています
【写真5】中学校の体育祭
【写真6】ぬくもりを感じる木製の玩具