第7回静清合併協市民フォーラムでの提言
1999年7月10日にグランシップで開かれた第7回静清合併協議会の市民フォーラムで「こんなまちになって欲しい」と題した提言発表を行いました。静清合併協議会ホームページに全文が掲載されています。
「こんなまちになって欲しい」
こんにちは。清水市の磯谷千代美と申します。
私は清水で、「私もひとこと・合併通信」というミニコミ紙を、昨年1年間、5回にわたって発行し、市民の中で合併の議論を盛り上げていこう、賛成も疑問も含めて出し合っていこうじゃないかということで活動してまいりました。
さて先日、地方分権整備法が成立し、特例市制度の創設も決まりました。財政措置が不十分とはいえ、自分たちのまちをどうつくっていくのか。行政や議員だけではなくて、市民の側にも自覚と一層の努力が必要とされている時期になってきたと思います。そういう意味で、合併協議会が、このような市民フォーラムの場を提供してくださったことに感謝いたします。
きょうは、合併してこんなまちをつくりたいということがテーマですが、私は、清水の市民として、そして女性として、2つの点で発言したいと思います。グランドデザインというよりは、むしろまちづくりのコンセプトのようなものかもしれませんが、2つ述べたいと思います。
キーポイントは情報公開と女性の参画
まず1つは、情報公開と市民の参画、とりわけ女性の参画こそが、まちづくりのキーポイントであるということです。合併協議会は、これまでになく、公開と市民の参画を考慮に入れて運営されていると思います。もちろんそれだけ重大な課題だからだと思います。
私は、最近、清水市の女性行動計画についての市民の意見交換会に参加しました。清水は、新しい女性行動計画をつくろうとしておりますが、そこに、懇話会の委員さんたちが議論するだけでなく、公募の市民サポーターも一緒に、準備の段階から一緒に意見交換をする、そういうやり方に新しさを感じました。情報公開は、結論だけを示せばいいのではなく、その会議の議論の過程も市民に示し、議論の過程にも市民が参画していくことが必要だと思います。しかし、合併協議会以外の清水市の審議会の公開など、まだまだ不十分ではないかと感じるところもあります。
また、女性行政の分野で、参加から参画が言われて久しいと思います。これは政策決定の場への女性の登用こそが大切という、今では当たり前になった考え方ですが、果たして実際そのように進められているでしょうか。きょう実は「あざれあ」で、国連女性2000年会議に向けての全国シンポジウムが開かれております。坂本副知事をお迎えして、全国から大ホールいっぱいの女性が集まって、新しい未来に向けての討論をしているところです。
国は今、男女共同参画ビジョンと、2000年プランに基づいて、男女共同参画社会を目指しておりますが、これは単に男女が平等でない、あるいは社会進出が不十分であるという女性のためのプランではありません。我が国が今直面している経済や政治、あるいは財政といった各分野での行き詰まり的な状況を、どうやって構造改革していくのかという、我が国が直面しているテーマの中で、実はこの共同参画社会を実現するということがその大きな鍵の1つになっているわけです。ですから、国づくり、まちづくり、同じことだと思いますが、地方では、まだまだ女性の参画ということの理解自体が不十分ではないでしょうか。この合併協議会も、男女の比率を見ますと、どうも女性の方が少な過ぎるのではないでしょうか。生活者としての暮らしを担い、子育てや介護を担い、そして仕事もし、社会活動もしている女性たちの声を、もっともっと言えることなしに、21世紀の静岡と清水の未来を議論する場としては、私としては少々物足りなく思うところです。
福祉のまちづくりに投資を
2番目の問題です。清水は今、非常に不況の中で、失業者も増え、元気がないというふうに言われております。今後ますます雇用問題も重要な社会問題となってくると思います。あわせて、少子高齢社会も目前です。自分の家の近所を見ましても、あと10年後、20年後は一体どうなるんだろう、一人住まいが一体何人になるのかしらという不安を大変感じています。
こうした中で、近年、研究者の中で、大規模プロジェクトよりも福祉や介護型公共事業のほうが経済波及効果が高く、雇用創出効果も期待できるという考え方が出てきています。つい最近の新聞では、茨城県の福祉部の98年の調査研究で、ホームヘルパーの雇用や老人ホームの建設などの介護型の公共事業が、従来の建設型公共事業に比べても、経済波及効果がやや高く、雇用創出効果も1.5倍という、そういう調査結果が出ております。大きな箱物をつくることばかりではなく、その場合の投資効果ということを計算に入れる必要も出てきております。
ですから、合併する場合の財政特例措置に基づいて、この時期に社会資本整備、大きなものをつくることも必要かとは思いますが、その場合に、まちづくりのコンセプトとして、福祉のまちづくりに思い切って転換し、その必要性の中から考えていただきたい、そのほうが、むしろ地方都市が生き残れる道ではないだろうかということを、本当に15年、20年先の少子高齢社会の自分の身の周りを想像するだけでも、どんな暮らしになるだろうかと思うだけでも、今この時期から転換することの必要さを感じております。
以上2点述べましたけれども、私は、清水のまちがそんなまちになってほしいと思います。でも、なかなか大きな転換というのは一気にできるものではありませんので、合併ということで、静岡も清水も一緒になって、そのようなまちができれば、理想ではあると思います。
生活者の視点に立ったビジョンを
また、清水には、過去の合併の不満を口にする人や、あるいは吸収合併じゃないかと不満を口にする人もいます。そういう人たちが、ほんとに納得し得るようなグランドデザインを提案していただきたいと思います。生活者として、今、女性たちの中でも、旦那さんのお連れ合いのお仕事大丈夫かななんと不安を感じている人が、自分の身の回りにもたくさんいます。高齢者の親を抱えて、この先どうなっていくんだろうという不安を口にする人がたくさんいます。そういう人たちの一人一人の生活者、暮らしている一般の市民の生活に対して、このまちで安心して暮らして、このまちで安心して老いていくことができる、そういうまちづくりの未来のビジョンを示していただきたいと思います。
いろんな合併に伴って、大きな箱物をつくることの提案も1つの夢かと思いますけれども、日々暮らしている者の視点に立った、日々の暮らしを大切にするところからのビジョンというものも、また必要ではないかというふうに感じているところです。そういうグランドデザインが出される中で、私どももまた、合併について自分の意見をつくり、市民の中での議論を巻き起こしていくために、私も自分の場で、また合併通信などを通じて発言をしていきたいと思います。以上です。どうもありがとうございました。(拍手)